成長を見守る塾としてできること—1000号を迎えて

2025年1月21日 Vol.1000
つばめ学院は埼玉県和光市にある「生徒を元気にする塾」です。
塾長の関口です。

本日、このブログが記念すべき1000号を迎えました。
創立10周年という節目の年に1000号を迎えられたことに、非常に感慨深い思いです。

本日は『待つ』というテーマについてお話ししたいと思います。
ご家庭でのお子様との接し方に役立つ内容ですので、是非最後までお付き合いください。

ジャガイモ農家の気づき

昨年末に養老孟司先生の「人生の壁」を読みました。
そこで非常に示唆に富むお話があったのでご紹介します。

あるジャガイモ農場の経営者の著書が紹介されていました。(「土を育てる 自然を蘇らせる土壌革命」)
その中で著者は、「農地を手入れしたほうが良い作物が得られる」という常識に対して異を唱えます。
人が手入れすることで、土が本来もっている構造(菌糸のネットワーク)が崩れてしまうそうなんです。
養老孟司先生は、これを医療や教育にも通じると指摘されています。

このご意見に私は大きく共感しています。

「待つ」ことが大切な局面は多い

このお話のポイントは2つあります。
・手をかけた方が良い結果になる
・手をかけることがかえって結果を悪くすることもある
の2点です。

生徒自身が勉強に手をかけることは良いことですが、親や教師の場合は違います。
手をかければ、かけるほど良い結果になるとは限りません。
結局は本人がやる気にならなければ、いくらまわりが手をかけてもその効果は低いです。
私が「手をかければ、かけただけ」生徒の成績が良くなるのであれば、こんな簡単なことはありません。そうでないからこそ、教育は素晴らしいのだと思います。

では、どうやれば本人がやる気になるか。
そこにスイッチはありません。
その子の成長を『待つ』ことが大切な場面が多くあります。
中1で全くやる気のなかった子が、中3になって人が変わったように前向きに取り組む。そんな例は、塾の教室にはたくさんあります。
同じ子であっても、「中1のその子」と「中3のその子」では全く違うほどに成長するからです。そうだとすれば、その成長を「待つ」ということも実は非常に有効なはずです。

もちろん、「ただ待つ」ということではありません。
声をかけ、期待をかけ、行動を示したうえで、『待つ』ことが重要です。
それを継続することは簡単なことではないですが、非常に有効なことではあります。

塾の役割ってなんだ?

本日のテーマは、一言でまとめると『待つことの大切さ』です。

では、「待つ」のであれば、塾なんて不要だと思われる方もいるかもしれません。
しかし、そうではないんです。

先に書いたように、「待つ」は難しいのです。
子を持つ親として、不安を感じることもあるでしょう。
かつてのような大家族であれば、「子どもなんて、そんなもんだ。オレがガキの頃なんざぁ・・・」と威勢よく言ってくれる叔父さんなんていたかもしれません。
まして、その叔父さんが立派に社会で役割を担っていれば安心できます。
しかし、いまの核家族社会の日本でそれを期待するのは難しい面もあります。

そこで、私は塾の人間として、お子さんの成長を「一緒に待つ」ことをしたいのです。
つばめ学院を卒業した先輩の成長物語がお子さんに重なるかもしれません。

お子さんの成績に不安を感じたときに、すぐに手をかけるのではなく、「待つ」を選択肢に入れてみていただけないでしょうか。

最後まで読んで頂いてありがとうございます。

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