読書感想文の力 – 子どもたちの成長を促す、感動する読書のススメ

2023年4月30日 Vol.965

つばめ学院は埼玉県和光市にある「生徒を元気にする塾」です。

塾長の関口です。

つばめ学院では小学生(高学年)の生徒を対象にゴールデンウィーク期間に読書感想文を書いてもらう課題を出しています。
「読書感想文」なんぞAIが勝手に自動生成してくれる時代の流れに逆行していると思われる方もおられるかもしれません。
今日のブログではそんな「読書感想文」について私の思うところを書いていこうと思います。

勘違いされている順序

塾の授業で「読書感想文の課題」を生徒に伝える時にお話した内容が「順序」についてです。
良く誤解されがちですが、私達は
①本を読む
②感想をもつ
③感想文を書く
という順序で捉えがちです。
しかしその順序は実は違っているのです。

私達人間は、「どう感じた?」と聞かれて初めて感想をもつのです。
もちろん漫然と読んでいても感動することはあるし、それを求めて読書をする人もいるでしょう。
しかし、そうではない読み方も存在します。
「私はこれを読んでどう感じるかな」と意識しながらする読書は漫然と読む時とは比較にならないほど多くの気づきを得ることができるんです。

「読書感想文を提出してね」という言葉は、子どもたちに「気づきを促す読書」をはじめさせるきっかけになるんです。

もちろん感想文ですから、「どう文章に表現するか」も大切な学習です。
しかし、それ以前に「読み方」ということも重要な観点なんです。
お子さんが「気づきを促す読書」を知って大人になった人生と、そうでない人生を比べて、前者の方が豊かで幸せな人生につながる可能性が高いことは明らかです。

より多くを感じることができる

「人が何に感動するのか」はその人の能力に依存することです。
つまり「感動するもの」があるのではなく「感動できる人」がいるのです。
「感動できる人」は日常の風景にも感動できるし、日常の何気ない人々の所作に感動します。

「感動できるモノ」が世の中にあるのではなく、「そこに何かを見出す力」を人が持っているかどうか。それが違いになるはずです。

私の実体験をお伝えします。
今読んで頂いているこのブログですが、数年前は実は「毎日更新」をしていました。
今はかなり頻度が下がって「毎週更新」すらおぼつかないのですが。。。
毎日更新をしている時に良く聞かれたことがあります。
「毎日更新していてネタ切れにならないんですか?」
この質問を頂くことが非常に多かったんです。
そして、回答はシンプルに「ネタ切れにはならない」というものでした。
毎日更新をしていた時にネタが切れてこまることはありませんでした。常に2〜3のネタがありその日の気分によって選んで書いていたほどですから。
しかし今は違います。週に1回の更新を「なんの話題で書こうか」を苦慮しております。

このネタ切れ問題は、私の事ですから自信を持って理由を書けます。
日々の生活を「ブログ更新する」という意識で生きているかどうかの違いです。
毎日更新している時は、それこそ常に話題になりそうな事を探しながら生活しますし何かあればすぐにメモします。
それに比べれば今の生活は圧倒的に漫然と過ごしていると思います。ネタも増えません。

お伝えしたいのは、「ネタ切れにならない技術」があったのではなく、「違う意識で生活をしていた」という事です。
私にとって、この経験は重要でした。なぜなら、「意識すれば書ける」ことが分かったからです。

伝えたいこと

生徒たちには「毎日ブログを書け」なんて言いません。
ただ、伝えたいことの1つとして「意識が変わると見つかるものが変わる」ということがあります。
口で言っても分からないことです。体験してもらうのが手っ取り早い。

「ただ読む」のではなく、「何を感じるか意識して読む」だけで得られるものが変わります。
他の人と同じものを見て、同じ体験をしたとても「そこから何を得るか」は人によって様々です。
少なくとも私は、10年前の自分よりも今の自分の方が圧倒的に多くのものを見ることができ、感じることができると断言できます。

「意識して読む」というのは少々面倒ですし、場合によっては時間がかかるかもしれません。
だからこそ、「ハズレ」を避けたいですよね。
ということで毎回の読書感想文では「課題図書」を選定しています。
私が事前に読んだうえで、「これはじっくり読む価値あり!」と思えた本を題材にしてもらいます。
「読みたい本を読む」ではなく課題図書にする意味がここにあります。

せっかくなので、今回の課題図書の4冊をご紹介して終わります。
・ゲド戦記(影との戦い)
・くちぶえ番長
・シートン動物記1(おおかみ王ロボほか)
・トモ、僕は元気です

こんな多くの成長を得られるのが読書感想文です。AIに書かせるなんてもったいないと思いませんか?

最後まで読んで頂いてありがとうございます。

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