受験生の親になる

2023年4月20日
Vol.964
つばめ学院は埼玉県和光市にある「生徒を元気にする塾」です。
塾長の関口です。

新年度になりました。
この春からいよいよ「受験生」になった中3生や高3生もたくさんいるのではないでしょうか。
そして、同じように「受験生の親」になった方もたくさんおられると思います。
今日はそんな方々に向けたお話を書こうと思います。

親としての「成長」

毎年、何人もの「受験生の親」の方々の不安や葛藤をお伺いしてきました。
その経験から、まずは受験生の親としての気構えをお伝えします。これがあると少し気が楽になるはずです。
それは、「受験生本人だけでなく、親もまた成長する」というものです。
中には「お兄ちゃんの受験で一度経験済です。」という方もいるとは思いますが、それでも今年受験をする「○○さんの受験」は初めてのはずです。
そうだからこそ、その「受験」の過程で親も毎回成長するはずなんです。
この「成長」という言葉がポイントです。
「成長する」のですから、現時点でできていなくて良いんです。できるようになれば良いし、できるために何が必要かを考えれば良いはずです。
ほぼ全ての親が、「受験生の親」として迷うし悩みます。
私はそれで良いと思います。むしろそれしかないと思っています。
せっかく「受験生の親」になったのですから、そんな方々には是非とも「この一年で親として成長してやろう」という意気込みを持って欲しいのです。
そうすれば全ての苦労や悩みは成長の糧になるはずです。

愛あればこそ

保護者面談で私が強調してお伝えすることがあるんです。
それは、「親が我が子の事で悩むことは良いことだ」です。
受験生の親が抱く、「勉強しない」「志望校が決まらない」「生活が乱れている」など、いずれの悩みも「愛あればこそ」の悩みです。愛情がなければ、そんなことで悩んだりしません。
しかし、多くの方がその悩みを「悪いこと」「避けるべきこと」のように感じられています。
もちろん「悩み」を自らすすんで受けたがる人はいないと思いますが、その「悩み」は十分に悩む価値のあるものです。
それが1つの愛情表現の形になりえるのですから。

価値あるものは「めんどくさい」という仮面をかぶっている

受験生の親としての悩みを全肯定してきまた。
しかしながら、その悩みや不安とどう向き合うかについては注意が必要です。
不安が先行しすぎてお子さんやご自身の「成長機会」を潰してしまうこともあります。
例えば。
志望校選びから塾の宿題管理まで全てに手を出してしまう。
逆に、説明会の予約から願書の手配、受験制度の把握まで全て本人まかせにしてしまう。
いずれの方向にせよ「行き過ぎ」が良くないことは誰しも分かることです。
「じゃあ、どの基準が良いんですか!」と言われそうなので、お伝えします。
「めんどくさいな」と思ったら、きっとその方向が正解です。
受験生の親として、この一年は是非とも「めんどくさい」事をたくさんしてください。
お子さんの面倒を見すぎるという弊害。これは、その親にとって「なんでも先回りしてやってしまう」ことが楽だから弊害なんです。この場合であれば、「ぐっとこらえて本人に任せる範囲を考える」という事が考えられます。
逆に何でも「本人の責任」と言って突き放してしまうという弊害。これは、親がお子さんの受験という「めんどうなこと」に積極的に介入することを避けているから弊害です。
どちらも「めんどくさい」の先に正解があるんです。
「めんどくさい」の先に「価値あるもの」があると思ってください。
そして、自分にとって「本当にめんどくさい」ことが何なのかを問いかけてみてください。

受験生の親子を毎年見ている私が断言します。
受験の1年は親子にとってかけがえのない素晴らしい時間なんです。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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