「やりたいこと」で幸せになれるか?
2022年10月28日 Vol.953
つばめ学院は埼玉県和光市にある「生徒を元気にする塾」です。
塾長の関口です。
いま「思い込む力」という、プロゲーマーの「ネモ」さんが書いた本を読み始めました。
小中学生が憧れるプロゲーマーの生き様から、何か参考になるものが得られるのではないかと期待をしています。読み終えたら塾でのお話に活用したいです。
キャリアと幸せについて、私の経験から思うことを先日の授業で生徒にお話しました。このブログでも共有しておこと思います。
やりたいことを仕事にする
私はいろいろな生徒と「将来どんなことをしたい?」という会話をします。
それに多くの子が「まだ分からない」と答えます。しかしながら、私としてはやはり「こんなことをしたい!」という夢や希望を生徒には持って欲しいと願ってしまいます。
また職業柄、多くの保護者に「お子さんには将来どのようになって欲しいですか」という質問も良くします。
その答えで圧倒的に多いのが「自分が好きなことを見つけて仕事にしてもらいたい」というお答えです。
私は「自分の好きなことを仕事にしよう」という考えには賛成ですし、多くの生徒と話をする時に「君はどんな事が好き?」という話をスタートにすることが多いです。
ただ、それと同時に「好きなこと」と「仕事にすること」を分けて考えてみることも提案しています。
具体的な例を上げるとすると、「動物が好きなんです」という子が「動物関係の仕事」を希望するときに別の角度からも考えてもらうということです。
動物好きな子が獣医やトリマー、ペット関連産業を志望することは自然です。私はそれを否定しませんが、こんな質問をしてみることはあります。
「動物に囲まれて仕事をするのと、仕事でお金を稼いで好きな動物を飼うことは、どちらが君の希望に近いんだろうね」という質問です。
やりたいことと、現実の仕事は違う
私は自分自身の現状を「幸せだ」と感じています。
しかし、それは「やりたいことを仕事にしているから」というものとは違う気がします。
もちろん「やりたいことを仕事にできて幸せ!」という人もたくさんいると思いますが、そうではない仕事で幸せを感じている人の話もちょっと聞いて欲しいなとは思うのです。
私は幸せの方程式は知りませんが、なぜ自分が現状を「幸せだ」と思えるかについては話せると思います。それが生徒の生き方の「参考」になればと願っています。
まずは私の「やりたいこと」について。
私は学者になりたいと思って大学院に進学し、IT企業に魅力を感じてIT業界で就職しました。その後、経営コンサルタントにあこがれてコンサル会社に転職しました。そして教育業界に身を捧げようと決意して塾を立ち上げて現在に至ります。
何が言いたいかと言うと、とりあえず「やりたいこと」ばっかりやってきた人生だと思います。
その結果として私が感じたことは、「やりたいこと」をやってみると、「思ってたのと違う」に気づくということです。
良くも悪くも「思ってたのと違う」のオンパレードです。
「お前の見通しが甘いんだよ」と言われればそのとおりなんですが、まあイメージと現実は大きく違います。
私が「こうしたい」と思って立ち上げた塾が「つばめ学院」ですが、立ち上げた時と今でその中身は「別の塾」と表現しても過言ではありません。そして、私はというと、立ち上げ時の何十倍も幸せを感じています。
「やりたいこと」と「できること」
私が生徒たちに伝えたいのが次の1点です。
「やりたいことも良いけれど、できることを仕事にするのは結構幸せだよ」です。
自分の「やりたいこと」はいろいろとイメージもできると思うのですが、その多くは現実と異なります。(私の実体験調べ)
いまサッカーが大好きで、サッカーさえしていれば幸せという子がプロのサッカープレーヤーになって幸せになれるとは限りません。プロとして結果を残すプレッシャーと向き合う生活というのは、部活でサッカーをしていた生活とは違うものだろうと思います。
「やりたいこと」をやって自分が幸せを感じられるかどうかは、正直なところ「やってみないと分からない」だと思います。
だからこそ、若者には「やりたいこと」に果敢にチャレンジして欲しいのです。そうやって幸せになる人もいますから。
ただ、それと同じくらいに「できること」も大切です。あくまで「自分の幸せ」にとってという観点で大切なんです。
「できること」を活かすと、誰かに感謝してもらえる可能性が高いです。誰かに感謝してもらえると自分が幸せを感じることができます。これが「できること」を仕事にするメリットです。
「やりたいこと」を仕事にして幸せを感じられるかは分かりませんが、「できること」を仕事にすると幸せを感じられる可能性は結構高いと思います。
塾の方に話を戻します。
動物好きの子がトリマーになる。
美容好きの子が美容師になる。
子ども好きの子が保育士になる。
サッカー好きの子がサッカー選手になる。
音楽好きの子がアーティストになる。
そこで、「勉強」というのはあまり「必要」ではないのかもしれません。
でもそれは、あくまで自分の「やりたいこと」を軸に考えた一面でしかありません。
「勉強」は自分にとっての「できること」を増やすという点で確実に役に立ちます。そういう「できること」を増やしておくと自分にとっての「幸せの種」をたくさん持つということなんです。
私の話をちょっとします
最後に私の話で恐縮です。
よく勘違いされますが、私は「人前で話す」という事は好きなことでも何でもないです。
家では必要がない限りは「無言」です。お話し好きでもなんでもないし、基本的には黙っているのが楽な性格です。
文章を書くのも好きなことではないです。このブログを書き始めた理由は、「自分が今まで嫌いでやらなかったことに挑戦してみよう」と思って、「書く」という行為を始めただけです。
少し不遜な言い方になりますが、私にとって「話すこと」や「書くこと」は、単に「できること」の一つだと気づいただけなんです。自分の「やりたいこと」ではないですが、そのことで周りの人が喜んでくれることがあります。それが私にとっては驚くほど「幸せ感」につながります。
塾の生徒たち(というか、多くの若者)には、是非とも幸せになって欲しいですから、「やりたいこと」を大切にするのと同じように「できること」を増やすことにも目を向けて欲しいのです。
数学ができる。英語ができる。社会ができる。
計算できる。覚えられる。想像できる。
読める。書ける。話せる。共感できる。
そういう「できる」を増やしていく事は、人生の幸せにとって必ず貢献できるはずなんです。
最後まで読んで頂いてありがとうございます。
校正ですw
×・・教育業界に見を捧げようと決意して
○・・身を捧げようと、、
ありがとうございます!
修正しました。お恥ずかしい限りです、、、