2022年6月7日 Vol.939

つばめ学院は埼玉県和光市にある「生徒を元気にする塾」です。

塾長の関口です。

最近、ちらちらといろんな授業でお話している「18歳への成人年齢引き下げ」についてブログで思うところを書こうと思います。

成人しても変わらない？

皆様ご存知の通り、2022年4月1日から成人年齢が「18歳」に引き下げられました。
新聞やメディアではいろいろなニュースが飛び交っていますが、当の本人達である中高生はと言えば、あまり関心が高いとは言えません。

成人年齢の引き下げというのは非常に大きな出来事だとは思いますが、なぜ当人達にとってこれほどまで関心を惹かないのでしょうか。
その要因の1つは「分かりにくさ」ではないかと思います。
私が成人した時を思い返してみても、「酒が飲める」「タバコが吸える（吸わないけど）」といった分かりやすい基準がありました。
しかし今回の引き下げにおいては、酒やタバコといった「分かりやすい」権利は20歳以上のままとなっています。

そんな事から、「よくわからない」または「結局、何も変わらくね？」という印象を中高生達が抱いているように感じています。
しかし、本当にそれは正しいのでしょうか。 私は若者にとって、分かりやすくて切実な変化が18歳にはあると思っています。

成人したら叱られない

当たり前ですが「成人」とは「大人」という意味です。
別の言い方をすれば「一人前」。
一人前の大人が、それまでの子どもとどう違うのか。
最も大きな違いは「叱られない」ということではないでしょうか。これはとてつもなく大きく、決定的な違いです。

子どもは時に大人に叱られます。
しかし、大人は大人に叱られることはありません。
なぜでしょうか。
それはもう「めんどくさいから」の一言に尽きるかと思います。

時に会社の上司・部下の関係で、大人が大人から叱られることもあるかもしれません。
しかし、それは「そうしないと会社に損害があるから」とか「部下が成長しないと目的が達成できないから」というような限定的な条件がついているはずです。
「こんなことでは絶対にこいつのためにならないから」とかいうような無条件で叱るという人はほぼ皆無のはずです。

これは恥を忍んでの告白になりますが、私自身がそうだから良く分かります。
生徒に対しては結構いろいろと「叱る」ことも多いですが、「大人」に対して叱ることはありません。
職業柄、採用面接を数多くこなします。
経験のない方には想像もつかないかもしれませんが、世の中には「びっくりするほど常識のない」人がいます。
そういう人がひょっこり面接にいらしたりします。
「うわ。この人、ずっとこうしてきたの？」とか「この先もこんな感じなんだろな」と、その方の身を案じたりすることも多いのですが、「あなたの○○なところは、△△という点で良くないので直すべきです。」なんて絶対に言いません。
私が「びっくり」する程に大きな常識のギャップがあるわけですから、相手が気分を害した時にどんな行動をするのかは、やはり私には想像もつきません。
考えることは、いかに気分良くお帰り頂いて、平穏に距離をとることです。

多くの大人がそう考えて行動すればするほどに、「びっくり」されるような大人はそのま周りから距離をおかれることになります。

「叱られない」とはどういうことか

生徒たちに分かりやすく説明する時には、「叱られない」ということは「何をしても良い」ということだとお話します。

朝眠かったら起きなくてもいい。ゲームだけしたければゲームして過ごせばいい。You Tubeを見て過ごしたいならそうすれば良い。夜ふかししたければ寝なくていい。好きなものだけ食べていて良い。

おそらく、多くの18歳というのはこれらを強行すれば可能な環境にいる人が多いはずです。
大学生が学校をさぼったとしても指導教官が「叱る」ことは少ないかもしれません。注意して改善されなければ単位を与えないだけです。
就職して働いていても同じです。上司が「注意」することはあっても「叱る」ことは少ないはずです。改善されなければ解雇することもできます。

いくらでも好きなことができます。 好きなことだけ生きることができます。 そして、それが「そのまま評価される」ことになります。

仮に18歳から親元で好きなことだけして暮らして30歳になったとします。
ただそこに、「好きなことだけしてダラダラ生きてきた30歳」がいるだけです。
社会はきっとその人を「良い」とも「悪い」とも言わないと思います。
ただ、「あ、君は好きなことをしてダラダラ生きてきた30歳なんだね」と思うだけです。

そういう人と付き合いたければ付き合うし、会社に迎え入れたければ採用するというだけのことです。

最後まで読んで頂いてありがとうございます。