寓話に学ぶ
2022年5月19日 Vol.933
つばめ学院は埼玉県和光市にある「生徒を元気にする塾」です。
塾長の関口です。
今日の話
今日の授業は寓話の紹介からはじめました。
「さて、今日は昔話を紹介します。あるところに木こりの男がおりました。
男がいつもの通り、気を切ろうと斧を振り上げると手が滑って、大切な斧が池に落ちてしまいました。」
早速、声が飛びます。
「知ってる!池から女の人が出てくるやつ!!」
そのとおり。
池から2つの斧を手にした女神が現れ、男にたずねます。
「あなたが落としたのは、この金の斧と銀の斧のどちらですか。」
男は答えます。 「何言ってんだ、俺の斧は鉄の斧だ。どちらでもねえよ。」
すると女神は、
「あなたは正直な人です。この金の斧、銀の斧を差し上げます。あなたの鉄の斧もお返ししましょう。」
それを脇で見ていた別の男。
自分も同じようにと、斧を池に投げ入れます。
やはり女神が現れ、同じ問いかけをします。
そしてその男は答えます。 「その金の斧が俺の斧だ!」
すると女神は、 「あなたは嘘つきですね。」 と言ったきり、姿を消してしまいましたとさ。
おしまい。
教訓はなにか
「なにそれ!全部知ってるし!」 生徒から厳しい声を頂きました。。。
「おぉ!知ってたか。みんな知ってたの?そう。みんな知ってるのね。じゃあ、このお話の教訓はなんだろね。」
「いつも正直にいなさい!」
「なるほど。素晴らしい!きっとそうだね。」
そして続けます。
「俺ね、つい最近、別の教訓もあったことに気づいたんだよ。」
「なにそれー」
「自分の正直さや誠実さは、ある日、突然に試されるってこと。」
生徒たちの怪訝な空気を無視して質問します。
「みんなは大丈夫?正直ものですか?誠実ですか?」
「うーん、、、どうだろ。でもまあ、大丈夫なんじゃない。」
「自分の銀行口座に4600万円が振り込まれても、ちゃんと返せる?」
生徒達の怪訝な空気はなくなりました。
4630万円誤給付で逮捕の男、当初は返還に応じるそぶり…町職員と銀行支店到着後に態度一変
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220519-OYT1T50240/
ある日、突然に
私はこの事件の容疑者を擁護する意図はまったくないです。
常識で考えて、自分のものでないお金は返さないとだめです。
ただ、思うのは、この誤振込がなければ、この人は何事もなく生活をしていたんだと思います。
たまたま、誤振込という出来事がおき、突然、自分の手の中に大金が入ってきてしまった。
その事で自分の誠実さを問われることになったのだと私は解釈しています。
突然試される自分の「正直さ・誠実さ」その選択を誤ると、大きな過ちをおかしてしまう。
「そんな事」があるなら、誰かが「そういう事もあるよね」と教えておいてくれたらなぁ、、、とも思いました。 日々、「そういう事」に備えて、正直に・誠実に生きることを常としなければいけないよ。と。
そして思い出してしまったんです。
「金の斧、銀の斧」 ちゃんと教えてくれていました。
知っていました。ただ、心の中に定着してはいなかったのだと思います。
だから、私はこの事件を知って「怖いな。自分はどうかな。」と思ったんです。
いや、私だったらちゃんと返しますよ。。。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。