人類の危機?
2023年1月30日 Vol.959
つばめ学院は埼玉県和光市にある「生徒を元気にする塾」です。
塾長の関口です。
ある優れたサービスの話
突然ですが「Chat-GPT」というサービスをご存知でしょうか。
私は最近知ったばかりなのですが、誰もが無料で利用できるAIサービスです。
AIに対してチャットで質問をすると何でも答えてくれるというものです。
そして、この「何でも」のレベルが圧倒的に優れていて、いろいろなメディアで取り上げられています。
とりあえず私も登録をして「質問」をしてみました。
問「日本のSDGsへの取り組みをどう考えますか。600字以内でまとめてください。」
答え「
日本は、サステイナブルな社会の実現を目的として、国連の「サステイナブルな開発目標(SDGs)」に取り組んでいます。これらの目標は、2030年までに世界中で貧困や格差の改善、環境保護、人権の尊重などの課題を解決することを目的としています。
日本は、SDGsに取り組んでいる多くの企業や地域、政府などがあります。例えば、企業は環境対応型の製品やサービスを開発し、地域はSDGsを踏まえた産業や環境に配慮した地域振興を図っています。政府は、SDGsを推進するために財政投入や政策の充実などを進めています。
一方で、SDGsの実現には、今後もますます取り組みが必要であると考えられます。例えば、格差の改善や環境保護の課題は今後も取り組みが必要です。また、SDGsに取り組んでいる各セクターの連携強化や、国内外の課題解決に向けた協力の強化も重要です。
結論として、SDGsへの取り組みは、日本の社会や経済の発展に向けた重要な取り組みであり、今後も継続的な取り組みが必要であると考えられます。
」
すごい、、、の一言につきます。
になみに、「マルクス経済学を2023年時点の世界経済に適応した場合の限界について考察してください。」なんて無茶振りをしてみましたが、ものの数秒で答えが返ってきました。
どう使います?
ここまですごいと「いろいろな使い方」が考えられそうなのですが、正直私には良い使い方がまだ見つかっていません。
こんな質問も書いてみました。
「夏目漱石が書いた「こころ」の読書感想文を書いてください。600字以内にまとめてください。」
こちらも数秒で見事な文章が返ってきました。もう、夏の読書感想文も大学のレポートも、なんなら論文もこれで全てちゃちゃっと終えられそうです。
うん。
はい。
え?
そうでしょうか?
この技術は「ズル」に使う方法はいろいろ考えつくのですが、どれも「ズル」の話なんですよね。
「ズル」はしない方が良いです。
今日の授業では、このChat-GPTを実際に生徒に見せながら、読書感想文を例に話をしました。
ここから「人間」の授業です
いや、これヤバくね?すごいよね。
もう学校の読書感想文とか、社会科見学のレポートとか、、、なんでも一瞬で終わる気がするよね。
実際、大学のレポートとかにも使えちゃうから、いろんな教育機関で「使用禁止」の動きがはじまってるらしいよ。
いま、つばめ学院の小学生は年に3回の読書感想文を書いてもらってるんだけど、これを使うと一瞬で終わるし、そもそも本を読む必要すらないよね。
で、いまみんなに聞きたいのはね。「Chat-GPTで読書感想文を書くのは良いことか」ってことね。道徳的に「悪い」じゃなくて、実際に「どういう悪いことが起きるのか。または起きないのか。」ってこと。
(しばし意見交換タイム)
うんうん。いろいろ意見出た。良い良い。
答えとは言わないけれど、俺の意見も言っておくね。俺は読書感想文はみんなが自分で頭を悩ませながら時間かけて書くべきだと思っているし、AIが書いた読書感想文なんて読みたくもない。
じゃあ、なんで塾や学校の先生は「読書感想文を書け」って言うのか考えてみてほしい。
まずは、「本を読んで欲しい」から。
いい本をたくさん読んで、心を豊かにして欲しいのね。だから、本を読まずに読書感想文を書くってのは意味がないのよ。いやなら感想文書かなくて良いから、本だけでも読んでくれって話(笑)。
次に「本を読んでいろんな事を感じて欲しい」から。
ただ読むだけじゃなくてね。感じて欲しいのよ。嬉しい感じでも悲しい感じても良い。自分の知っている言葉では表現できないような感じ、だったら最高だね。
感じて欲しいんだけど、これって実は訓練が必要なのね。ただ「読む」だけだと、読んで終わりかもしれない。でもね。「どう感じましたか?」って聞かれると考えるよね。「あれ、俺(私)は何を感じたかな?」って。
最初のうちは聞かれないと考えないかもしれないけれど、慣れてくると人に言われるまでもなく、いろいろと「感じる」ことができるようになる。感想を持つってそういうことなんだよね。
最後の1つは「表現して欲しい」から。
自分が何を感じたのかを表現して欲しい。それは、最初は面倒で難しいことだと思う。でもね。そういう事を繰り返すうちに、自然と自分の考えや感想を表現できるようになるんだよ。それってすごいことだと思わない?
少なくとも俺が「読書感想文を書け」って言うのはね。みんなが「本を読めるようになる」「いろいろな事を感じられるようになる」「感じたことを表現できるようになる」ための練習のだからなんだよね。
だから、適当な道具で楽して提出しても意味がないんだよ。だって、そんな事したら本を読めるようにもならないし、本から何かを感じられるようにもならないし、感じたことを表現できるようにもならない。
それはマジで意味ないと思うのよ。
「そりゃ、意味ないわ」ってみんなが思ってくれたら、俺がいま話した意義はあると思うな。
でも「Chat-GPT」面白いから使ってみて(笑)
で、何か有効な使い道があったら教えて欲しい。そういうこと考えるのは若い人達の方が得意そうだし。
じゃあ、今日の勉強スタートしよう!