国語力がないと英語は伸びない
2022年6月16日 Vol.942
つばめ学院は埼玉県和光市にある「生徒を元気にする塾」です。
塾長の関口です。
難化する英語
昨年度から中学の教科書が新しくなり、今年度からは高1の教科書が新しくなりました。
特にその中で難化の一途をたどるのが「英語」です。
小5から英語が教科化されたことによる影響で、中学・高校の英語の文章が非常に難しくなってきていると感じています。
今日のブログでは、「英語が難しくなった」の具体的な内容をお伝えしたいと思います。
結論はタイトルの通り、英語を理解するために「国語力」が避けて通れないということです。塾などの受講教科としては後回しにされがちな「国語」その重要度は以前に増して高まっています。
文法の「難しい」は攻略可能
これまでの英語の「難しい」はどちらかと言えば「文法が難しい」という意味で使われてきたように思います。
分詞構文が難しい。や、仮定法が難しい。というものです。日本語にない文法なので、難しく感じる子が多いのも当然だと思います。まして、仮定法は高校英語から中3の英語に扱いが変わっています。
確かに「英語」という教科の中で扱う文法が難しくなってきているのは事実ですが、この「文法が難しい」は攻略がしやすいものです。
文法というものは所詮はルールですから、論理的には理解可能です。例外ケースはしっかり暗記すれば十分に対応することができるのです。当然ながらその数も有限です。
平たく言えば「まとめて練習すればなんとかなるもの」と言えます。
しかし、私が気にしているのは「文法」の難しさではなく、読む「英文そのもの」の難しさなんです。我々人間は母国語で思考する以上、国語力の上限は理解力の上限とも言えます。
自分の国語力を超えた英文は、どんな英単語や英文法、英語構文の知識をもってしても太刀打ちできません。
和訳はできたけど・・・
具体的な例をあげてご説明します。以下はある高校生が取り組んでいた英文の一部とその和訳です。(英語は読み飛ばして頂いても構いません)
In general, each generation is keen to become independent of parents in establishing its own family unit, and this fact can lead to social as well as geographical difference within the larger family group.
一般的に各世代は自分自身の家族集団を固めるという点で親から独立することを望み、この事実が、より大きな家族集団の中に地理的な隔たりだけでなく社会的な隔たりをも生むことがある。
この英文を高校生に和訳してもらったところ、ほぼ正解に近い日本語を書くことができていました。そこで、「で、それってどういう意味?」と尋ねてみると「それは・・・・」と言って、自分の書いた日本語を読み上げる状態です。
そこで、私が補足します。
「うーん。じゃあね。ここ埼玉に関口一家があるとするよ。」
「長男は親父にガミガミ言われるのが嫌だから、好きな人と結婚して都内で自分の家族と暮らし始めました。金融の仕事について働いてます。」
「次男も親父がウザいから地方で一人暮らし始めて、彼女ができて結婚しました。割と肉体労働で朝から晩まで身体を酷使しながら、家族を立派に養っていましたとさ。」
「で、どうよ。家族という単位で見れば、関口一家は父ちゃん、母ちゃん、長男、次男が家族だよ。でも、”地理的”にみれば埼玉・東京・地方の3箇所に分かれて住んでいます。と。」
「”社会的”にはどうだろう。都内で金融の仕事をする長男は子どもの教育に関心が高くて我が子を私立中学に入れようとするかもしれない。地方で肉体労働する次男は職場の同僚と話をあわせるために始めたパチンコとか競馬が大好きになるかもしれん。この2人が埼玉の実家でたまに会ったとして会話が盛り上がると思うか?”社会的な隔たり”があるよね。」
そこまで説明をすると、「あぁー、なるほど」と言う子は実は多いです。
もちろん日本語の文章として読めば、中3程度の国語の文章かもしれません。しかし、その意味をしっかり理解しておくことを避けてくると、必ず「英語」で行き詰まります。
小学生のうちから母国語の理解をしっかり深めてください。その力がその子の「理解の深さ」を決めてしまいます。
お子さんは日本語の文章を正しく理解できていますか。
最後まで読んで頂いてありがとうございます。